通学時間が片道1時間を超えるなど、遠距離通学の高校生ほど抑うつ症状や不安症状が出るリスクが高いことを、日本大学の研究チームが明らかにした。子どもの志望校を決める際、親や教師は通学時間も含めて考えるべきだと研究者は指摘する。(引用参照:ヤフーニュース、朝日新聞デジタル)
これは、素晴らしい研究ですね。感服します。
私も子供たちの中学進学、高校進学の時は悩みました。
特に息子を中高一貫校に進学させたため、1時間半かかる自称進学校か1時間以内の自称進学校のどちらに進学させるか悩みました。
大学までの付属校であれば、1時間半の通学もやむを得なしと考えていましたが、妻のかたくなな付属校嫌いで自称進学校受験となったわけです。
結局、1時間半は自分の通勤時間でもイヤであったため、1時間以内の学校を選択しました。
こんな研究がでると1時間以上通学にかかる学校に進学させてしまった親御さんは心配になることでしょうし、もっというと鬱になってしまった子供さんがおられる方は、親の責任を感じてしまうでしょう。
日本精神神経学会の学術誌に論文を発表した(DOI: 10.1111/pcn.13714)。これまで日本には、通学時間とメンタルヘルスの関連性を調べた研究はほとんどなかった。思春期に心理的問題を抱えると、大人になってから精神的疾患の発症につながることもあり、暴力や自殺とも関連するとされる。
これは、おそらく海外論文は何本かあったのですね。それを日本でも研究しようという発想がすばらしい。
よい着眼点であると思われます。
公衆衛生学を専門とする大塚雄一郎准教授と中島英専修研究員らは2022年10~12月、首都圏と東北地方の私立高校に通う約2千人の高校生を対象にオンラインで調査を実施した。その結果、回答した約1900人中、17.3%に抑うつ症状、19.0%に不安症状がみられた。通学時間が1時間以上かかる生徒は、30分未満の生徒に比べ、抑うつ症状が出るリスクは1.6倍、不安症状が出るリスクは1.5倍ほど高い傾向があった。回答者の約30%が通学に1時間以上かかっていた。
この研究は、経済学者でも共同研究でできる研究内容です。なぜ誰もやらなかったのか。経済学には「教育の経済学」という分野があるのです。そこでは、教育をあらゆる観点から経済学的に検証することを目的に多くの論文が生み出されています。もっと得意分野をいかした共同研究が進むような学術体制を望みます。